アイデンティティとは、ごく簡単にいうと「あなたは何者なのか?」という質問への答えのことです。
他人から「あなたは何者ですか?」と聞かれたときに、あなたはどのように答えるでしょうか?
その答えこそが、あなたのアイデンティティそのものであるということですね。
この記事では、アイデンティティという言葉について、心理学に基づく正しい意味を簡単にわかりやすく解説します。
アイデンティティってなんだろう?自分だけのアイデンティティを見つけるにはどうしたらいいんだろう?とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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アイデンティティの意味とは?
冒頭でも説明したように、アイデンティティとは、「あなたは何者ですか?」といわれたときの「私は~です」というその答えのことをいいます。
あなたはこの質問(「あなたは何者ですか?」)に対して、どのように答えますか?
ある人は、単に「私は日本人です」と答えるでしょうし、「私は~の仕事をしているものです。妻がいる夫であり、3人の子供の父親です」というように答えるかもしれませんね。
アイデンティティとは「自分で自分のことをどのような存在だと思っているか」を表す言葉だともいえるでしょう。
(※↑この説明は後で見るようにとても重要なので、よーく覚えておいてください)
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自己同一性とは
このように、「自分で自分のことをどのような存在だと思っているか」のことを、心理学では「自己同一性(じこどういつせい)」と呼びます。
アイデンティティ=自己同一性は、人間が幸せに生きていくためには非常に重要なものです。
例えば、自分では「私は会社では高い地位に就くだけの価値がある人間だ」と思っている人がいたとしましょう。
この人が実際にはヒラ社員だったとすると、この人自身は大変な不満を持って日常生活を送ることになってしまいます。
人間の社会生活における不満の多くは、自己同一性(アイデンティティ)と現実とのギャップから生じることが少なくないのです。
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アイデンティティは「1人につき1個」ではない
アイデンティティは、「1人の人に1個だけ」ではないことにも注意しておきましょう。
例えば、会社にいるときのあなたは「社員」かもしれませんが、あなたの子どもにとっては、あなたは「親」ですね。
また、あなたがお医者さんだったとして、患者さんにとってあなたは「医師」ですが、医師であるあなたが病気になってしまったときには、あなたは「患者」ということになります。
このように、アイデンティティはその場その場で変化するものと考えることができます。
社会の中で期待されている役割の数だけ、あなたのアイデンティティはたくさんあるということを理解しておいてください。
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個性とアイデンティティの違い
「アイデンティティ=個性」と考える人も少なくありませんが、これらは厳密にいうと別のものです。
個性とは「他人から見たときの特徴」であるのに対して、アイデンティティとは上でも見たように「自分で自分のことをどう思っているか」をあらわすものだからです。
少し難しい言葉で言うと、個性は客観的なもので、アイデンティティは主観的なものということもできるでしょう。
個性とアイデンティティは別物!
- 個性=他人から見たあなたの特徴
- アイデンティティ=あなた自身からみたあなたの特徴
「個性的に生きよう!」と言うと、集団の中で目立つ格好をしてみたり、人が言わないことや行動をとったりすることだと思われがちですね。
しかし、このように個性を意識することと、自分のアイデンティティを意識することとは直結しないことに注意が必要です。
個性とは上でも見たように、「他人から見たときにどういう特徴があるか」ということにすぎませんから、いくらそれに合わせてみても「私は~だ(私のアイデンティティは~だ)」とは言えるようにならないのです。
あなたは何者ですか?と質問された時に、他人からみた自分の特徴(=個性)を答えてみても、それは本当にあなた自身について語っている解答とは言えないというわけです。
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アイデンティティを見つけるには?
それでは、自分のアイデンティティを見つけるためにはどうしたらよいのか?について考えてみましょう。
結論から言うと、アイデンティティを見つけるには、他人とのかかわりを持ち、その中で自分の役割を見つけることしかありません。
なお、「他人とのかかわり」という言い方をしましたが、何も社会に出た成人でないとアイデンティティを見つけることができないというわけではありません。
ここでいう「他人」とは、「自分以外の人間」という意味で、非常に広い意味だからです。
例えば、日常的に家族としか話す相手がいないという人であっても、「相手にとってのかけがえのない家族の一員」というアイデンティティを見つけることはできます。
家庭の仲であっても、自分のアイデンティティを見つけることはできるということですね。
ただし、家族というのは生まれたときから一緒にいる存在である場合がほとんどでしょうから、家族の中での立ち位置を「自分のアイデンティティ=役割」と意識できる人は少ないというのが実際のところかもしれません。
思春期の青少年や、引きこもりに悩む人が自分のアイデンティティに悩む原因としては、「家族の中でのその人の役割=自分のアイデンティティ」と気づけていないか、そもそもそのことに抵抗感があることが挙げられるでしょう。
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アイデンティティは人間関係の中にしかない
繰り返しになりますが、アイデンティティとは「あなたは何者ですか?」と問われた時の「私はこういう人間です」という解答のことをいいます。
この質問に答えるときにもっとも近道になのは、あなたがいま所属している社会や、人間関係の中での役割から考えることでしょう。
例えば、子供がいる人は「親」という役割がありますし、会社につとめている人は「株式会社Aの社員」という役割がありますね。
こうした「役割」こそがその人のアイデンティティといえるものです。
賢明な方はすでにお気づきかもしれませんが、アイデンティティというものは自分1人で創り出せるものではなく、社会の中で他人とかかわって初めて見つけることができるものなのです。
次の項目でさらにくわしく見ていきましょう。
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「自分探しの旅」ではアイデンティティを発見できない理由
「自分のアイデンティティを見つけるため」と称して、一人旅や一定期間の引きこもりといった方法を選択する人がいますが、こういった方法で自分のアイデンティティを見つけることは難しいでしょう。
あなたのアイデンティティは、自分自身の心の中から見つかるものではなく、社会における他人との関係でつくられるものだからです。
なので、「自分は何者なのかわからなくて苦しい」「自分の居場所がない」と感じている人へのもっとも効果的な処方箋(解決策)は、まずは自分が所属している人間関係(職場や学校のクラスだけでなく、家族も含みます)での自分の役割を意識してみることです。
繰り返しになりますが、自分のアイデンティティを見つけるためには、人間関係の中に入っていき、「これこそが自分の役割だ」というものを社会の中で見つけることしかありません。
日常的に「自分のアイデンティティが見つからない」と感じる人は、「社会の中で自分の役割をまだ見つけられていない」ということを意識してみることがヒントになるかもしれません。
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まとめ
今回は、アイデンティティの意味について解説しました。
本文で紹介しましたが、アイデンティティは「(自分自身で考えている)社会の中における自分の役割」のことで、人が幸せに生きていくために非常に重要な考え方といえます。
逆説的な言い方になりますが、「自分らしさ」というものは、人間関係の中にどっぷりと入っていくほど、より強く意識することができるものなのです(自分らしさを強く意識して生きていくことができれば、その人の幸福感は高まる物と思われます)
アイデンティティとは何か?自分だけのアイデンティティを見つけるにはどうしたらよいのか?についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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