「中国の船が日本のeezに侵入し…」というように、eezという言葉は他国との領土問題のニュースでよく耳にしますね。
このeezとは、難しい言葉で言うと「排他的経済水域」のことで、ごく簡単にいうと「この範囲内では日本人しか活動しちゃだめですよ」という地域のことです。
この記事では、eezの意味や領土問題となっている3つのことがら(尖閣諸島・竹島・北方領土)についてわかりやすく説明します。
日本と世界のeezの面積比較もランキングで紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
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eez(排他的経済水域)とは?
冒頭でも少し説明しましたが、eezとは「この範囲内では日本人しか活動しちゃだめですよ」という地域のことを言います。
もう少し具体的にいえば、「eezの中にある魚や、資源を自由にとってもいいのは日本人だけですよ」ということです。
日本のeezの中でとれる資源は、日本人が生活していくためにとても大切なものです。
なので、中国や韓国といった他の国の人たちに勝手に入ってこられてはとても困るというわけですね。
当然ながら、中国には中国のeez、韓国には韓国のeezというように、それぞれの国には固有のeezが認められています。
後でも見るように、eezをめぐって領土問題に発展してしまうことは珍しくありませんから、お互いに他国のeezを侵害しないように気をつけることがとても大切です。
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eez=「領土の沿岸から200海里までの範囲」
次に、「eezとは具体的にはどこからどこの範囲なのか?」について解説しましょう。
eezとは、沿岸(海に面した土地)から200海里までの海の範囲を指します。
1海里というの1.852kmですから、eezとは領海から370.4km離れた場所までということになりますね(1.852km×200=370.4km)
eez=領土の沿岸から200海里までの範囲
- 1海里 =1.852km
- 200海里=370.4km
つまり、砂浜などの海の近くの土地から370.4km離れたところまでがeezになるというわけです。
そのため、日本のeezは、日本の領土をぐるっと取り囲むようにくくった形になります。
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日本のeezをめぐる3つの領土問題
日本は島国で、本州や北海道・九州や四国の他にも「小さな島々」がたくさんある国です。
これら小さな島々も日本の領土ですから、当然ながらそのまわりには日本のeezが設定されています。
そのため、1つの小さな島が日本の領土といえるかどうかによって、その周辺のeezが誰のものになるのか?が決まることになります。
eezがどの国のものになるかは、周辺の国にとって大きな利害関係がありますから、日本もほかの国もなかなかゆずることができない重要な問題となっているのです。
実際に、現在も日本のeezは中国や韓国、ロシアなどと領土問題のテーマになっています。
以下では、日本のeezをめぐる3つの領土問題について説明しましょう。
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eezをめぐる領土問題①:尖閣諸島(中国と日本)
eezが関係した領土問題の1つ目は、「尖閣諸島」をめぐる中国と日本の争いです。
尖閣諸島は沖縄県に属する日本の島で、国際法に従って日本に領有権が認められています。
第二次世界大戦が終わった1945年ごろに日本を含む東南アジア各国の国境が決定しましたが、その当時の中国は「尖閣諸島は日本のもの」ということで何も文句は言っていなかったのです。
しかし、その後1970年ごろに天然ガスなどの地下資源が尖閣諸島の周辺には豊富に埋蔵していることが発見されます。
そのころになって突然、中国(と中国の一部である台湾)は「実はここは自分たちの島だったんだ」ということで領有権を主張し始めました。
近年では、中国船が無断で尖閣諸島周辺のeezに侵入してくることがニュースになりますね。
これは「尖閣諸島を自分たちのものだ」ということを実力でアピールしようとしているわけですが、これにはまったく法的な根拠がありませんから、日本としては認められないことなのです。
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eezをめぐる領土問題②:竹島(韓国と日本)
eezが関係した領土問題の2つ目は、「竹島」をめぐる韓国と日本の争いです。
竹島というのは島根県の近くにある小さな島なのですが、新鮮な魚介類がたくさんとれる非常に魅力的な漁場です。
そのため、竹島周辺のeezがどの国のものになるか?は非常に重要な問題なのです。
「韓国の国会議員が日本の領土である竹島に上陸し、気勢をあげている」というようなニュースはほぼ毎月のように聞きますよね。
竹島は日本と韓国の両国が領有権を主張している島ですが、現状として実効支配は韓国が行なっています。
日本としては当然これを認めることはできませんが、実力で取り返すということは今の政府は行っていません。
その代わりに、国際司法裁判所という国際組織で、話し合いによって解決することを韓国側に提案をしているのですが、韓国は「竹島は自分たちのものだから、話し合いにも応じる必要はない」という主張をしています。
日本と韓国では竹島に関する歴史認識が異なるため、解決には時間がかかる問題です。
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eezをめぐる領土問題③:北方領土(ロシアと日本)
eezが関係した領土問題の3つ目は、北海道のさらに北にある「北方領土」をめぐるロシアと日本の問題です。
北方領土は日本固有の島ですが、第二次世界対戦時にロシア(当時はソ連)が侵略して、現在に到るまでロシアが実効支配をしているというのが実情です。
長年、日本はロシアに北方領土の返還を求めていますが、なかなかロシアは北方領土を返還してくれません。
北方領土周辺のeezは石油・天然ガスやレアメタルといった天然資源が豊富に埋蔵しています。
仮に、ロシアが北方領土を日本に返還すると、北方領土周辺の海域が日本のeezに含まれてしまい、天然資源が日本のものになってしまうため、ロシアは日本に北方領土を返還しない一つの原因となっているのです。
また、ロシア政府からすると北方領土は「自国民の犠牲を出し、実力で手に入れた地域」なので、これを安易に日本に返還してしまうと、ロシア国民に「弱腰だ」と思われてしまうため難しいという理由もあるでしょう。
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eezの面積比較ランキング
eezとは、「ここからここまでだったら自由に魚や天然ガスなどを自由にとってもいいよ」という海の範囲のことだと説明しました。
では、日本のeezは、世界の国と比較するとどのぐらいの広さなのでしょうか。
以下では世界各国のeezの面積の広さをランキングで紹介しますので、参考にしてみてください。
世界各国のeez面積ランキング
- 1位 アメリカ:762万k㎡
- 2位 オーストラリア:701万k㎡
- 3位 インドネシア:541万k㎡
- 4位 ニュージーランド:483万k㎡
- 5位 カナダ:470万k㎡
- 6位 日本:447万k㎡
このように、日本のeezの面積は、世界で6番目の大きさです。
日本は領土そのものはそれほど広い国ではありません(日本の領土面積は世界で第61位です)
しかし、たくさんの島で構成されている国であることから、eezでみると非常に広い国となっているのです。
領土で見るとものすごく拾い中国やロシアといった国と比べても、ずっと広いeezがあるということにはちょっとびっくりされるのではないでしょうか。
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まとめ
今回は、eezの意味やeezをめぐる領土問題、世界各国との面積比較について解説しました。
近年、中国の大国化と海洋進出に伴い、eezをめぐる領土問題は新国土を増しているといえます。
今回は政治ニュースを見るうえで非常に重要なキーワードを解説しましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
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