自己肯定感とは、ごく簡単にいうと「社会に自分の居場所があることを実感できている感覚」のことをいいます。
自己肯定感を持つことができれば、自分の行動に自信をもつことができ、何事にも意欲的に取り組むことができるようになるでしょう。
この記事では、自己肯定感を高めるための具体的な方法について解説します。
子育て教育や小学校の授業、恋愛や看護での実践例についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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自己肯定感を高める方法とは
自己肯定感を高める方法としては、具体的には次の2つがあります。
自己肯定感を高める2つの方法
- ①ありのままの自分を認めること
- ②自分が所属する社会への貢献を意識すること
以下、それぞれの方法について具体的に見ていきましょう。
自己肯定感を高める方法①:ありのままの自分を認めること
自己肯定感を高める方法の一つ目は、ありのままの自分を認め、何か失敗をしてしまったときにも自分を否定する考えを持たないことです。
例えば、何かで失敗した時には誰でも落ち込みますよね。
しかし、落ち込んでも自分を否定することはいけません。
気持ちを切り替えて、次の課題に立ち向かう癖をつけることです。
失敗をしてしまったときに「だから自分はダメなんだ」と考えるのではなく、「次は失敗しないんだ」とポジティブに考えることが重要ということですね。
失敗は失敗として認めると同時に、これも自分なんだから次は頑張ろう、と開き直ることが必要でしょう。
しかし、「どうしてもそう簡単には開き直れない…」というまじめな性格もいらっしゃるでしょう。
そのような方に参考になるのが、次で紹介するドイツの精神科医フリッツ・パールズによる「ゲシュタルトの祈り」と呼ばれる言葉です。
ゲシュタルトの祈り(フリッツ・パールズの言葉)
私は私のことをする あなたはあなたのことをする
私はあなたのために生きているわけではないし、あなたも私のために生きているわけではない
あなたはあなた 私は私
もしも、お互い出会えることができたら、それはすばらしいこと
もし出会えなくても、それはしかたのないこと
他人にどう思われるかということばかり気にして、自分の心を痛めつけてしまう必要はないんだよ、という意味ですね。
失敗に対する反省も必要だけど、それよりも大切なのは自分、ということに気付かせてくれ、自己肯定感を高めることに役立つ言葉です。
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自己肯定感を高める方法②:社会への貢献を意識する
こちらはアドラー心理学でとても重要視されている考え方です。
アドラー心理学では、「人は、社会に貢献することによってはじめて、自分が社会にとって意味のある存在であることを実感できる」と考えます。
つまり、自己肯定感を高めるには、自らが社会に貢献して、「自分は社会に貢献している意味のある人間である」ということを実感する必要があるというわけです。
他人の承認が無くても、自己肯定感を高めることはできる
このようにいうと、「自分は大した特技もないし、仕事もそんなにできる方ではない。そんな自分が自己肯定感を高めるには、どうしたらいいの?」と思われる方もひょっとしたらおられるかもしれません。
重要なことは、「社会への貢献によって自己肯定感を得るためには、他人からの承認を受ける必要はない」ということです(これは重要なポイントです)
アドラー心理学では、社会貢献にもとづく自己肯定感は、他人がどう思うかは関係なく、自分自身の基準で実感するべきものと考えます。
例えば、あなたが家事の手伝いをしたときに、家族はその行動に何もリアクションを返してくれなかったとしましょう。
このとき、他人(家族)からの承認によって自己肯定感を高めることを考えるのではなく、「自分が家事をすることによって、家族という共同体に貢献することができた」と自分自身で実感できることが重要なのです。
他人からの承認を期待することには限界がありますが、自分で自分を承認すること(所属する社会に貢献できたと自分で感じること)には限界はありません。
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現場での実践例
ここまでは自己肯定感を高める具体的な方法について説明してきました。
以下では、このような考え方に基づいて自己肯定感を高める方法が実践されている例について紹介しましょう。
①幼児教室での実践例
幼児教室ひまわりの塾長で内科医の熊野貴文氏は、子どもの自己肯定感を高めるために親がするべきことは、親自身が自己肯定感をもつことだといいます。
子どもを教育する立場の親に自己肯定感がなく、反対に自分を卑下したところがあると、子どもに対して説得力がなくなってしまうからです。
同じ言葉であっても、話す人の様子が自信なさそうであれば、その言葉は説得力をもちません。
同じことが子育ての場合にもいえるというのですね。
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②小学校授業での実践例
東京都板橋区立板橋第一小学校では、学習内容を子どもたちが自分で考えて進めていくことを実践しました。
それによって、子どもたちの主体的な行動を引き出すとともに、自分に自信を持たせることに成功したのです。
この実践例はベネッセ教育総合研究所が機関紙「VIEW21」で紹介しています。
子どもの自己肯定感を高めるために大切なことは、子供に自分で決めて行ったことへの成功体験を積ませること、といわれています。
この実践例では、子どもたちが自分の力で学習ができることを学び、それが成功体験となって自己肯定感を高めることができた、というわけです。
③看護での実践例
聖路加大学で行われている「聖路加キャンプ」に看護学生を運営スタッフとして参加させることで、学生の自己肯定感が高まることが報告されています。
運営スタッフとして、失敗したことや困難を他のスタッフと協力して乗り越えたことなどの経験を積むことで自己を見つめ、自分ができることを確認していくことができます。
その中で自己肯定感を高めることができた例がいくつもあるというわけですね。
キャンプという場で起きる様々な問題は、実際の看護現場でも十分に適用できるとされています。
そのため、キャンプに参加した看護学生が自己肯定感を高めることで、看護師としての実務能力をも高める効果があるとされているのです。
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④恋愛での実践例
恋愛では小さな成功体験を積み重ねることと、欠点も含めた自分のありのままの姿を見つめ直すこと、の2点が自己肯定感を高めるための方法となります。
小さな成功体験とは、恋愛関係になる前に、いいな、と思った相手に声をかけてみることです。
声かけに成功すれば、それが自分への自信となります。
また、自分のありのままの姿を見つめて、欠点と思えることを長所としてアピールすることを考えることも大切です。
欠点は裏を返せば、その人のもつ魅力ともいえます。
それを控えめにアピールすることができれば、相手の自分に対する評価も上がります。
何よりも自己肯定感が上がることで、相手に依存しない良い恋愛関係を作ることができるのです。
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まとめ
今回は自肯定感を高める方法について、実践例を含めて解説しました。
本文で解説しましたが、自己肯定感を高めることは、豊かな人生を送っていくうえで大切です。
自分の行動について肯定的にとらえるとともに、自分が所属する社会への貢献を意識して日常生活を送ってみましょう。
自分の仕事にどのような意味があるのがわからないといった悩みをお持ちの方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
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