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心理学の話

エディプスコンプレックスの意味とはマザコン?フロイトの具体例と克服方法

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エディプスコンプレックスという言葉を聞いたことはありますか?

子供は、男の子は母親、女の子は父親に対して無意識のうちに恋愛感情に似た気持ちをもつ傾向があります。

その恋愛感情の裏返しとして、お父さんがお母さんと、お母さんがお父さんと仲良くするのに嫉妬する感情を持つことがあるのです。

このような現象を、エディプスコンプレックスと呼びます。

エディプスコンプレックスを単純に「マザコンのようなもの」と誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、心理学上の意味はまったく違います。

この記事では、エディプスコンプレックスの意味や症状の具体例、克服方法についてくわしく解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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エディプスコンプレックスの意味とは?

エディプスコンプレックス

↑画家ギュスターヴ・モローによるスフィンクスとオイディプス。ギリシャ神話に登場するオイディプス(右)が母親と交わったという逸話から、オイディプスにちなんで「エディプスコンプレックス」という名前が付けられた。 エジプトの像が有名なスフィンクス(画像左)は物語の中でオイディプスが退治した怪物。

エディプスコンプレックスは、有名な心理学者フロイトが提示した考え方です。

ごく簡単に言うと、小さな男の子がお母さんに恋心を抱き、お父さんのことを恋敵としてライバル視してしまうことを言います。

男の子はお母さんを独り占めしたいと思うのですが、小さな男の子がお父さんに勝てるわけがありません。

なので、お父さんと張り合うことをあきらめて、代わりにお父さんのような強い男になろうとお父さんの命令を聞き入れるようになります(これを「同一化」と呼びます)

そうすることで、コンプレックス(劣等感)を解消していくんですね。

このお母さんに対する恋心とお父さんに対するライバル心は無意識の中に存在しているといわれています。

無意識の世界にあるこの二つの気持ちのことをエディプスコンプレックスとフロイトは名付けました。

なお、この名前はギリシャ神話の「オイディプス王(エディップス王)」になぞらえたものです(神話の中ではオイディプスは自分の父親の王様を殺して、自分の母親と結婚します)。

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エディプスコンプレックスとマザコンの違いは?

エディプスコンプレックス

男の子がお母さんに恋心を持つ、と聞くと、「マザコン」のことではないか、と思う人も多いかと思います。

結論から言うと、エディプスコンプレックスとマザコンとは意味が違います。

「マザコン」という言葉は、男の子が大人になってもお母さんの意見に影響されてしまうこと、あるいは、お母さんのような女性を好きになるようなことに対して使われる場合が多いですね。

エディプスコンプレックスという考えを提示したフロイトは、マザコンというのは男性がお母さんとベタベタしていても、そのことに疑問を感じない心理状態をいうと言っています。

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エディプスコンプレックス=異性の親にライバル意識を持つこと

私達は子供の頃、自分にとって最も身近な異性、男の子であればお母さん、女の子であればお父さんに甘える傾向があります。

それは無意識の中にお母さんやお父さんの愛情を独り占めしたいという気持ちがあるからです。

でも、大好きなお母さんやお父さんのハートを独り占めするには強力なライバルがいます。

そのライバルというのが何を隠そう自分のお父さんでありお母さんです。

そのとき、お母さん、お父さんの愛情を独り占めしたいと思うことで、ライバルを憎むような気持ちが出てくるのですが、それでもそのライバルも大好きな自分の親。

だからライバルにも愛されたい、という思いもあるんですね。

男の子におけるこの葛藤がエディプスコンプレックス、ということになります(女の子の場合はエレクトラコンプレックスといいます)

子供の頃のこの葛藤を通して、人は人間関係のパターンが出来上がってくるといわれております。

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フロイトによるエディプスコンプレックスの具体例と克服方法

エディプスコンプレックス

精神分析学の創始者といわれるフロイト(オーストリアの精神医学者)

フロイトはエディプスコンプレックスを自分の夢を分析したことで発見したといわれております。

彼は精神科医として神経症の患者達の治療をしていました。

催眠を使ってたくさんの患者の精神分析を行っていたのですが、神経症はほとんどの場合、幼いときに経験した嫌なことを忘れるために発症すると確信していました。

そして、その嫌なこと、というのは自分の家族からの性的虐待である場合が多い、と思っていました。

でも、もし、それが本当だとすると、フロイトが生きていた時代にはたくさんの家庭で子供に性的虐待をする親がいたということになってしまいます。

それはかなり異常なことです。

なのでフロイトは、患者が性的虐待を受けたと間違えて記憶をしているのではないか、と考えるようになりました。

フロイトは自分も神経症(不安症)だったのですが、彼が40歳のときに彼のお父さんが死んでしまいました。

それをきっかけに、彼の神経症の症状はさらに悪化しました。

フロイトは自分の不安症の原因は、子供の頃お父さんに性的虐待をされたからではないかと考えていました。

でも、お父さんの死にショックを受けたことから、自分の子供の頃の記憶を思い返してみました。

フロイトは夢の中には無意識の中にある感情を明らかにするヒントが隠れていると信じていたため、自分の子供の頃の夢を調べることで、無意識の中に隠れている病気の原因を明らかにしようとしました。

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フロイトが見た夢

自分の子供の頃の夢をたどったところ、手掛かりとなりそうな夢をいくつか見つけました。

第一の夢は、彼が夢の中で服をほとんど着ないで階段を上っている夢でした。

どういう夢かというと、彼が裸のような恰好で階段を上がっていたら、後ろから女の人が来ることに気づきました。

その女の人をよく見てみると、彼が二歳半になるまでの間に彼の面倒を見てくれていた年寄りの乳母でした。

このとき彼は夢の中で、服を着ていなくて恥ずかしいと思うのではなくて、裸を乳母に見られることで興奮していた、というものでした。

この夢の記憶から、フロイトは自分が幼いときに男であることに目覚め、その手ほどきをしたのがお父さんではなく乳母であったと認めることになりました。

フロイトは友達に送った手紙の中で、自分が幼かった頃、この乳母に対して恋心を持っていたのかもしれない、と語ったといいます。

このように自分の夢を分析したことで、彼は自分のお父さんに性的虐待をされたという記憶は間違っていたと気づきました。

第二の夢については、フロイトはその内容をだれにも話していないのですが、彼が友達に送った手紙などから想像すると、自分のお母さんが裸でいるところを見た夢ではないかといわれています。

この夢でフロイトは自分がお母さんに対して恋心を持っていたことに気づいたといいます。

つまり、第一の夢で自分がお父さんに対してライバル心を抱いていたことに気づいて、第二の夢でお母さんに対して恋心を持っていたことに気づいたのでした。

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エディプスコンプレックスの克服方法

エディプスコンプレックス

エディプスコンプレックスは、父親に対する同一化によって克服されていきます。

たいていの場合、先に書いたように、お父さんのように男らしくなってお母さんの愛をゲットしようとすることで、エディプスコンプレックスを解消していくものです。

ただし、中にはエディプスコンプレックスを解消できないまま大人になってしまう人もいます。

解消できるかできないかは、家庭環境(その人の親がどのようなタイプであるか)が大きく影響してきます。

子供に安心感を与えられる両親であれば問題ありませんが、幼い子供が安心して生活できない家庭環境だった場合は、その子供は対人恐怖症のような不安を抱えた大人になってしまいます。

エディプスコンプレックスの勝者と敗者

エディプスコンプレックスやエレクトラコンプレックスには、精神的な意味で「勝者と敗者」があるといわれています。

もし男の子がお母さんをめぐる、お父さんとの戦いで、自分の方が多くの愛をお母さんからゲットできたと感じて育った場合(勝者となった場合)は、お母さんの愛情をお父さんからとってしまったと錯覚します。

そうすると、それにより罪悪感のようなものを感じてしまいます。

幼い時にこの罪悪感の処理に失敗すると、お父さんにいつか奪い返されるのではないかという恐れを感じるようになってしまいます。この恐れが、大人になってからの対人関係にも反映されます。

お父さんに奪い返されるのではないか、という一種の恐怖心のようなものが他の人に置き換わってしまうんですね。

なので他人に対して不信感や警戒心をもつようになってしまいます。

またご褒美をもらうことや成功を楽しむことにも引け目を感じるようになってしまいます。

人との間にも距離を置いてしまいがちになるんですね。

逆に、お母さんをめぐる戦いでお父さんに負けたと感じた場合(敗者となった場合)はどうでしょう?

その場合、自分は愛される価値がない人間だと感じるようになってしまいます。

そうすると、人との間に距離を置きたがるようになります。競争することや成功することを恐れるようにもなります。

この状態で大人になると、言いたいことが言えない、恋人などに対しても甘えたいのに甘えられないというふうになってしまいます。

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エディプスコンプレックスとエレクトラコンプレックス

エディプスコンプレックス

男の子のエディプスコンプレックスに対して、女の子がお父さんを好きになって、お母さんを憎むことを、エレクトラコンプレックスといます。

これはカール・グスタフ・ユングによって提唱された考えになります。

ただ、女の子の場合はマザーコンプレックスが強いので、エレクトラコンプレックスは生じないといっている人もいます。

でも、対人関係、恋愛関係での悩みを持っている女の人の深層心理を調べてみると、男の子のエディプスコンプレックスの場合と同じように、幼い頃の両親との関係が問題だった、ということはよくあります。

特にお父さんの愛情を十分に感じられないまま大人になった女の人などは、たとえそのお父さんがどんなダメ男であったとしても、幼い女の子にとってはお父さんが理想の男性であることには変わりありません。

むしろそのようなお父さんであった場合ほど、自分がいなければだめだという母性本能が強くなってしまいます。

それが恋愛で反映されると、いつもダメ男ばかりを選んでしまったりします。

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エディプスコンプレックスとエレクトラコンプレックスの本当の意味

子供がお父さんやお母さんを独占したいと感じているため、もう一人の親を無意識のうちに憎むようになるという考えはなかなか信じがたい考えかもしれません。

しかし、子供の頃の両親との関係が大人になってからの対人関係に大きく影響しているというのはなんとなくわかるでしょう。

お母さんと子供、あるいはお父さんと子供という二人の間だけの世界観が他の人との間でも通用するようになるためには、誰か別の人から二人の関係がどう見えているかを知ることがまずは必要になるということなのでしょう。

一般的な家庭では、その別の人にあたるのがもう一人の親ということなのでしょう。

別の人の目にはどう見えているかがわかることで、二人の関係が世間の人達からはどう見えているかがわかってくるわけですからね。

我々はこのようにして、二人の親それぞれとの関係から対人関係のあり方を身につけていくようになるのでしょう。

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まとめ

エディプスコンプレックス

今回はエディプスコンプレックス、エレクトラコンプレックスについて取り上げました。

対人関係で問題を抱えることが多い人にとって、それを克服するための第一歩は、子供の頃の自分の親との関係を見つめ直すことが有効なことがあります。

過去の自分の教育環境と向き合うことにより、自分がどうしてネガティブなものの考え方をしているのか、などがはっきりしてくるのです。

それがわかれば、自信が持てるものの見方ができるようになってきて、明るい方向へ生活が変わっていくようになっていくことでしょう。
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