韓国の国旗は太極旗と呼ばれますが、中央に丸い円・四隅に線があるなんだか不思議な形をしていますよね。
日本国旗の日の丸となんとなく似ているから、ひょっとして真似?と思われる方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では、韓国国旗の由来やくわしい意味、さらには日本国旗との関係についても簡単にわかりやすく解説します。
[ad#co-1]
韓国国旗の意味とは?
韓国国旗の模様にはどのような意味が込められているのか?についてくわしく見ていきましょう。
韓国国旗は、真ん中にある円(これを太極円といいます)と、四隅の線(こちらは四掛といいます)とでなりたっているデザインですね。
結論から言うと、太極円があらわす韓国国民の男女と、四隅の線があらわす天地自然が融合して、調和しながら発展していくという意味(願い)を表しているのです。
以下では、韓国の国家記録院のHPによる説明をベースに解説します。
[ad#co-1]
中央の丸:「太極円」
中央の丸は「太極円」と言い、上に赤、下に青を配置したものです。
これは「陰と陽の調和」を象徴するもので、宇宙万物は陰と陽が作用しあうことによって発展していくということを意味しています。
陰と陽というとなんだか難しく感じますが、これは「まったく正反対の2つのもの」のことを表す言葉です。
例えば、男性が陽であれば女性は陰(女性が陽で男性が陰でも同じ意味です)、水が陰なら火が陽、というように使います。
男性と女性がお互いに陰と陽なら、陰と陽が作用しあうことによって発展していく(例えば新しい命が生まれ、未来にわたって世代が続いていく)ということを意味するのが、太極円の意味ということになります。
[ad#co-1]
四隅の線:「四掛」
韓国国旗の四隅の線は文字ではなく、いわば図形です。
これは「四掛(しけ・しか)」といって韓国で古くから信じられてきた占い(易といいます)に由来しています。
それぞれ、四隅の線をそれぞれ、乾(けん、左上)、離(り、左下)、坎(かん、右上)、坤(こん、右下)と言います。
これらは、それぞれが天・地・火・水を象徴しています。
四掛(韓国国旗の四隅の線)の意味
- 左上の線:乾(けん):天の象徴
- 左下の線:離(り ):火の象徴
- 右上の線:坎(かん):水の象徴
- 右下の線:坤(こん):地の象徴
太極円は万物の二面性・例えば韓国国民の男女を表し、四掛は大自然のことを表しているので、
韓国国旗は、「天地万物と人々が調和し、韓国の発展を祈念する」という意味が込められているのです。
[ad#co-1]
韓国国旗を最初に考えたのはだれ?
韓国国旗を最初に考えたのは、朴泳孝(ぼくえいこう、パクヨンヒョ)という人だと言われています(19世紀の人物)
この朴泳孝は、のちに韓国二大新聞の一つである東亜日報の初代社長にもなった人です。
1882年、当時の韓国で日本に対する反乱(壬午軍乱)が起きますが、日本軍に鎮圧されます。
朴泳孝は、日本への謝罪使節として日本に派遣されることになったのですが、その船の中で構想したと記しています(彼の日記に記録があります)
それまでは朝鮮の国旗というものは存在しておらず、清国の国旗を使おうとの案も出ていたようですが、船内に居合わせたイギリス領事のアストンと相談しつつ、デザインを完成させたという言い伝えがあります。
[ad#co-1]
韓国国旗はいつから使われているの?
1883年、朝鮮国王の高宗(コジョン)によって国旗として制定されました。
朴泳孝が初めて国旗を謝罪の使節として日本で使用した翌年、当時の朝鮮国王である高宗(コジョン)はその国旗を正式に朝鮮国国旗として制定し、朝鮮全土に通知しました。
その後、当初のデザインからは多少の変更があったものの、現在まで韓国の国旗として使用されています。
1910年に日本に併合(韓国併合)されてから1945年の終戦まで、朝鮮半島地域は「朝鮮」と呼ばれるようになりましたが、朝鮮では、国家独立の象徴として使用されました。
ただ、その間のデザインは使う人によって微妙に違いがあったようです。
その後、1919年には日本統治に反対する人々によって上海に「大韓民国臨時政府」が設立され、その臨時政府によって国旗の統一の様式が決められました(ただし、一般の人々には浸透しなかったようです)
現在の国旗のような正式なデザインは、太平洋戦争終戦後の1949年10月に決められ、さらに2007年1月の「大韓民国国旗法」によって正式に法律で国旗として採用されました。
[ad#co-1]
韓国国旗は日本の真似なの?
韓国国旗をご覧になった方の中には、中央に丸があることから「なんとなく日本の国旗と似ているなあ…ひょっとして真似したの?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
韓国は日本の統治下におかれた時代もありましたから、なんとなくそうした経緯から「日本のパクリ」ということで国旗のデザインを決めたと思われることも少なくありません。
しかし、結論から言うと韓国の国旗は日本国旗とはあまり関係がありません。
上でも見てきたように、朴泳孝(現在の韓国国旗のデザインを考えた人)が関絶えたデザインの原型は、過去に朝鮮国の国王が使っていた「太極八卦図」にもともとの由来となっているのです。
また、日本の統治が確定するまでは朝鮮半島において清国の影響が強く、清国の属国(従属国家)とも見なされていたことから、朴泳孝が使用する以前においては清国の国旗を用いる案も出ていたそうです。
ただ、それを当時の朝鮮国王の高宗が拒否し、現在の太極旗が用いられるようになったと言います。
[ad#co-1]
日本統治と「太極旗」
上で見たように、デザインについては韓国の国旗と日本の国旗との間に関連性はありませんが、韓国国旗の名前である「太極旗」は、日本の朝鮮統治と深い関係があります。
以下、簡単に紹介します。
日本統治時代に「朝鮮国旗」から「太極旗」へ名称変更
1910年に日本の統治が始まってから、朝鮮の人々はもともと「朝鮮国旗」と言っていたものを「太極旗」と言い換える必要が出てきました。
というのも、「朝鮮国旗」というと、現に朝鮮が独立しているかのように日本の人々に誤解を与えてしまう恐れがあるので、避ける必要があったのです。
韓国併合以来、日本政府は朝鮮の人々が反乱を起こし、独立運動を起こすことを非常に恐れていました。そうした中で、朝鮮に対する日本の人々の目は大変厳しいものになっていたからです。
そのため、日本統治中に「朝鮮国旗」を人々は「太極旗」と呼ぶようになったと言います。
「太極旗」を「朝鮮国旗」ということは朝鮮の人々にとってはばかられることだったのです。
[ad#co-1]
まとめ
今回は、韓国国旗の意味や由来、日本国旗との関係について解説しました。
韓国国旗は、「太極旗」への名称変更など日本とも関係が深いことがわかりましたが、韓国を文化や土地柄を象徴したもので、一概に日本国旗のパクリとは言えないようです。
韓国国旗の成り立ちについては諸説ありますが、その由来や意味について、韓国ドラマなど見る際に頭に入れておくとより楽しめるかもしれません。
[ad#co-1]