パソコンやスマホで「おこなう」と入力すると、「行う」と「行なう」の両方の変換が出てきますよね。
普段、なにげなく使っているこの二つの送り仮名はどこが違うのでしょうか?(あらたまって聞かれると、どちらが正しいのか気になりますよね)
この記事では、「行う」と「行なう」の意味の違いや、正しい使い分けについて具体的な例文を使って解説します。
ビジネスや公文書・論文などの書類を書くときは、ぜひ参考にしてください。
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「行う」と「行なう」の違いは?
結論から言うと、公的な文章(論文など)を書く時には、「行う」が正しい使い方になります。
ビジネスや普段使いの場合には、「行う」・「行なう」どちらでも問題ありません(どちらも正解です)
- 行う :公的な文章では必ずこっち
- 行なう:日常使いで使う
なお、公用文とは、国や公共団体が用いる文書や法令のことで、送り仮名は昔から決まっているルールにのっとった使い方をしなければなりません。
後でくわしく見ますが、国語審議会(2001年に解散し、現在は文化庁文化審議会)が1973年に出した内閣告示第二号によると、「公的な文章では『行う』を使うこと」というルールになっているのです。
これ以降は、役所での公的な書類ではすべて「行い」が使われているというわけですね。
論文やビジネス用途について
大学や大学院に提出する論文も公用文とほぼ同じ扱いですので、こちらでも「行う」を使いましょう。
一方で、ビジネス文書や普段使いでは、これほどきびしい使い分けは要求されることはまずありません。
「行う」「行なう」どちらも間違いではなので安心してください。
ただし、当然ですがいずれの場合も、ひとつの文章や書類で混在は不適です。
例えば、文章の最初の法では「行なう」を使っていたのに、文章の公判では「行う」を使うというやり方はちぐはぐな印象を与えますので、避けましょう。
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公用文で使う場合の注意点
前段の原則をふまえて、公用文あるいは公的な文書として、論文・履歴書・法律の例を見ていきましょう。
論文での使い分け
論文でも、学術文書など公的度合いが高くなると「行う」となりますが、民間企業の社内論文程度だとどちらでも差し支えありません。
履歴書での使い分け
履歴書は確かに公式文書ですが、「行う」と「行なう」を区別して使う理由はありません。
どちらを使っても問題ありません。
法律での使い分け
法律は、公用文の最たるもので「行う」が使用されています。
ビジネス関連で法的な意味合いのあるものは、就業規則や契約書類などですね。
この場合は、公用文に準じて「行う」で統一しておいた方が無難といえます。
よく似た言葉の事例
表す(表わす) 著す(著わす) 現れる(現われる) 断る(断わる) 賜る(賜わる)があります。
これらの言葉は、「行う(行なう)」同様、( )内の送り仮名の両方を使うことができます。
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「行う」「行なう」の使い分けはどうやって決まったの?
「行う」と「行なう」の違いは?という問題は、日本国語として正しい送り仮名はどちらかという問題です。
まず、どこで誰が決めているのかを紹介しましょう。
国語審議会での決定
上でも少し見ましたが、国語全体に関するルールを国として決めているのは、国語審議会(2001年解散・現文化庁文化審議会)というところでした。
現在の正しいとされる送り仮名は、その国語審議会が1973年に決めたことが元になっています。
上のリンク先で、「送り仮名の付け方」の「1.活用のある語」の中で「行う」が紹介されています。
それによれば、「行う」が基本だが「行なう」でも許容されるとあります。
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ビジネスで使う「行う」「行なう」の例文
以下では、ビジネスでの用途を想定して、「行う」と「行なう」 の例文をいくつか紹介しましょう。
- 「下記の内容で人事発令を行うので、該当者は時間に遅れないようご出席ください。」
- 「〇月〇日、本年度社長方針の発表会が行われるので各部門長はご集合下さい。」
- 「先日行われた新製品発表会の結果、得意先から大変大きな反響を得ることができた。」
- 「コンプライアンスに関するヒアリングを行ったところ、想定外の内容となった。」
- 「ご指摘のあった契約書の訂正箇所について、早速、修正を行いましたのでご確認下さい。」
- 「不良商品だからといって、返金を行えばそれで済むというものではありません。」
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まとめ
今回は、「行う」と「行なう」について使い分けと意味について解説しました。
本文で紹介しましたが、公用文と普段使いの違いについて理解していただいたでしょうか?
また、基本は「行う」「行なう」のどちらでも有効です。
実際のビジネス場面での使い方を「行う」で紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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