「改善」は、日常的によく聞く言葉ですよね。
例えば、「生活を改善する」といった場合には、「生活の状態が今よりもよくなるようにすること」という意味があります。
ビジネスシーンでも、上司や取引先から「この仕事もっと改善できないかなぁ?」と言われて、「具体的に何をどうすればいいんだろう?」と疑問に感じるケースがあるかもしれません。
そのような場合には、トヨタ自動車でも用いられている「カイゼン運動」の考え方がとても参考になりますよ(きっときびしい上司もうなる良い改善提案が生まれるはず!)
この記事では、改善という言葉の意味について解説するとともに、具体的な改善提案の例を紹介しましょう。
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改善の意味と使い方
「改善」とは、「物事が以前の状態よりもよくなること」をいいます。
例えば、「生活が改善された」といえば、生活レベルが以前よりもよくなったという意味になりますし、「雇用環境が改善された」といえば「お給料が上がって残業も少なくなった」というような意味になります。
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「業務改善」と「改善活動」
次に、ビジネス場面に目を向けて、「改善」の意味と使い方をさらにみていきましょう。
ビジネス場面では、「業務改善」という言葉をよく耳にしますよね。
これは、業務(=仕事)の仕方をもっと効率的に、多くの成果を残せるようにすることをいいます。
あなた一人の仕事の効率を上げることを意味する場合もありますが、多くは職場全体、会社全体で見た場合の業務効率が改善されることが期待されていることが多いでしょう。
会社全体で業務の改善をキャンペーン的に取り組んで、「改善運動」という言い方をすることがあります。
改善と改良の違いは?
改善とよく似た、「改良」という言葉もありますよね。
この違いは、「改善」が物事がよくなることに対して、「改良」は「品種の改良」といったように、短所や欠点を改めてよくすることをいいます。
良くする対象物が、改善は抽象的だが、改良はより具体的という違いがあります。
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改善と改悪の違いは?どうやって見分ける?
次に、改善と改悪の違いについてみてみましょう。
ひとことで言えば、改善の反対語が改悪です。
でも、どうやって違いを見分けるのでしょうか?
ビジネス場面の「業務改善」でいえば、「改善」は仕事がしやすくなったこと、仕事の効率が上がったことが目安となります。
しかし、「改悪」となると、仕事がしづらくなったこと、効率が落ちたことが目安です。
もっと正確な「改善」と「改悪」の見分け方は、「生産性」という物差しを使います。
たとえば、1人当たり、時間当たりの仕事量に対して、生産量などのアウトプットが上がれば「改善」、下がれば「改悪」です。
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トヨタ自動車のカイゼン運動について
ビジネス現場における改善の具体例として有名なのが、トヨタ自動車の「カイゼン運動」です。
トヨタ自動車は、今や自動車の世界トップメーカーですが、自動車の品質や機能をあげるために過去から全社挙げて「カイゼン運動」に取り組んできたことで有名です。
トヨタの場合、あえてカタカナで「カイゼン運動」と言われるのは、世界の製造メーカーが模範とする経営戦略にまで高めたからです。
以下では、トヨタが実際に実施した「カイゼン運動」の例を紹介しましょう。
カイゼン運動の具体例①「5S運動」
トヨタ自動車が実際に導入したカイゼン運動の中で、最も有名なのが「5S運動」です。
これは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つの言葉からそれぞれ頭文字をとったもので、これらを組織として徹底することで製品の品質をあげながらも製造スピードをあげることに成功したという実績があります。
5S運動:業務の各工程において下記5つを徹底して行うこと
- 整理
- 整頓
- 清掃
- 清潔
- しつけ
たとえば、「職場は整理が大切!」と標語をかかげるだけではなく、具体的に整理や整頓の方法を徹底的にルール化し全員がそれを守ります。
個々人の意識づけだけでなく、部署内でそれをルール化して行うことが特徴ということになります。
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カイゼン運動の具体例②「3ム」の排除
「3ム」の排除も有名なカイゼン運動の例です。
3ムとは「無理・無駄・むら」の3つの言葉の頭文字をとってもので、製品製造だけにともならず、人事や経理といった間接業務でのパフォーマンスを恵贈的に上げる効果が期待できます。
「3ム」の排除
- 仕事をする上で「ムリ」があると、最後には疲れてしまう。
- 仕事での「ムダ」は、時間や経費の浪費につながる。
- 「ムラ」も、トータルでは生産性を落としてしまう。
従業員ひとり1人が、毎日の仕事でこういった3つの「ム」を探し出し、いかにして排除していくかを考えるという改善方法です。
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カイゼン運動=KAIZENは世界共通用語
トヨタのカイゼン運動(英語圏で「KAIZEN」といっても普通に通じます)が世界共通用語と言われる理由を紹介しましょう。
トヨタが自動車トップメーカーになるのに合わせて、原動力となったカイゼン運動も一躍有名になります。
トヨタの車をはじめとする日本車は、当時の欧米の車に比べると圧倒的に燃費がよく、しかも故障することがほとんどないのが特徴です。
(もともと欧米では、自動車は「自分で修理しながら乗るもの」という意識が普通でしたが、トヨタの車の普及によってこの常識がくずれます)
欧米のメーカーでは「なんでこのコストで、この品質の自動車が作れるんだ?」と話題になったのです。
トヨタの車が世界の市場を席巻するにしたがって、製造工程におけるトヨタのカイゼン運動をマネをするメーカーが増え、いつしか日本語の「カイゼン」はそのまま現地で使われるようになりました。
これが、KAIZENが世界共通用語となった理由です。
「業務改善」と「業務改革」の違い
業務改善と業務改革はよく似たことばですよね。
簡単にいえば、「業務改善」は、従来の延長線上で、仕事の仕方や出来栄えを良くすることです。
一方で、「業務改革」は、今までの仕事の仕方をいったん壊し、根本的に変え制度や組織まで改めることをいいます。
「改革」という言葉はまさしく「古いものを壊し、まったく新しい視点でものごとを作り直す」という意味があるのです。
このように、二つの意味はそれぞれ違っていますが、上で見たトヨタの「カイゼン運動」の中ではこの二つはつながっているのです。
従来のやり方を壊して根本的な改革をしようと思えば、その前に従来のやり方を限界まで効率化しなくてはなりません。
目の前のひとつひとつの仕事を確実に「改善」していくことなしに、「改革」はありえないと考えられているのです。
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まとめ
今回は、「改善」という言葉の意味について解説しました。
本文で説明いたしましたように、この言葉は普段よく耳にする身近な言葉ですね。
しかし、ビジネス場面では深い意味や実践例があることをご理解いただけたのではないでしょうか。
仕事への取り組み方について考えるきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。
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