ハプスブルク家といえば、ヨーロッパを支配したことで有名な名門貴族ですね。
あの有名なマリーアントワネットもこの家の一員です。
世界史でもよく聞く名前ですが、一体どんな家でどんな人がいたのでしょう(なお、ハプスブルク家は現在も続いています)
この記事ではハプスブルク家について簡単に解説しますので、ぜひ歴史の勉強の参考にしてみて下さい。
特にヨーロッパ旅行の際にハプスブルク家を知っていると、旅がもっと面白くなりますよ。
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ハプスブルク家とはどんな家系?
ハプスブルク家は、とても長い間ヨーロッパを支配した王家の一族です。
具体的には、ヨーロッパのいろんな国に親族の一員を王様や王妃として送り込み、一族全体としてヨーロッパで権力をふるった家系ということになります。
以下では、ハプスブルク家がどのような形でヨーロッパを守っていたのかについて簡単にわkりやすく解説しましょう。
また、ハプスブルク家はどんな人々がいたのかについても紹介します。
650年もヨーロッパを治めた王家
ハプスブルク家は650年もの間、いろんな国の王様としてヨーロッパを支配していました。
他の家が王家になっている国には、ハプスブルク家の娘と結婚させて次々に身内にしていきましたから、「ヨーロッパ中の王族はみんなハプスブルク家の家族」といったような状態でした。
世界の歴史で、これだけ長い間1つの一族が広範囲の領域を支配したのは珍しいことです。
それ以前にも、後にも、一族での国の支配が続いたのは、長くても200年、300年がほとんどでしたから、ハプスブルク家がどれだけすごかったかが分かりますよね。
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トルコからヨーロッパを守ったのがハプスブルク家
ハプスブルク家は、自分たちを支配しようとする今のトルコからヨーロッパを守った一族としても知られています(もちろんこれは伝統的なヨーロッパから見た視点ですが)
昔のトルコは「オスマン帝国」という名前でした。
とても戦争が強い国で、色々なまわりの国を支配し、イスラム教の国にしていきました。
もちろん、トルコはヨーロッパも自分たちのものにしようとして戦争をふっかけたりしていました。
ヨーロッパがトルコに支配されずに済んだのは、ハプスブルク家のおかげだったのです。
ハプスブルク家の始まりはルドルフ1世
ハプスブルク家が大きくなるきっかけは、ルドルフ1世という人が始まりでした。
この人がローマ帝国(今のドイツ)の皇帝に選ばれます。
まわりの人はルドルフ1世にあまり期待していなかったようで、影で皇帝をあやつる人を決めていました。
しかし、ルドルフ1世は国のリーダーとして活動する才能があったのです。
おかげで、ハプスブルク家は有力な貴族として大きくなっていくことになります。
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お城や宮殿は華やか
ハプスブルク家の人々が暮らしていたお城はとても華やかです。
ハプスブルク家と聞くと、豪華なお城でぜいたくな暮らしをしていたというイメージが強いのではないでしょうか。
今も残っている宮殿を見ると、実際でも豪華な暮らしをしていたのだろうと簡単に想像がつきます。
今では世界遺産になっているところも
ハプスブルク家の人々が暮らしていた宮殿は、現在世界遺産になっています。
ハプスブルク家にゆかりのある世界遺産といえば、シェーンブルン宮殿ですね。
オーストリアにあるこの宮殿は上品な雰囲気のお屋敷で、観光に来た人々を今も勘当させています。
前にあるお庭もとても広くきれいに残されていて、当時の面影がそのまま保存されています。
政略結婚で家を大きくしていた
ハプスブルク家は娘たちに「政略結婚」させることで力をつけていきました。
政略結婚とは、家の利益のための結婚のことです。
結婚すれば相手の家も身内になり、相手に口出ししたり影響を与えることも簡単になります。
むりやり結婚させられてさぞや嫌な思いをしただろう…と思いきや、ハプスブルク家の場合はそうでもありませんでした。
夫婦同士はとてもラブラブな関係だったとか。
政略結婚でも幸せな結婚だったのですね。
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ハプスブルク家は遺伝に問題あり!?
ハプスブルク家の家族は、障害を持っている人がとても多かったことで有名です。
あごの形が普通の人と違っていたり、精神的な障害があったりしています。
体が弱い子供もたくさん生まれてきました。
何故そのようなことになってしまったのでしょうか。
>>ハプスブルク家の人たちにはどんな障害があった?くわしく解説!
障害の原因は「近親結婚」
ハプスブルク家は、政略結婚をしない人は近親結婚で血をつなげていました。
「近親結婚」とはその名の通り親せき同士の結婚で、たとえば異母兄妹やいとこ同士を結婚させることを言います。
しかし、親せき同士から生まれた子供は遺伝子に問題が起こりやすいです。
もう少し詳しく言うと、「一族共通で持っている遺伝子の問題」が表に現れやすくなるということです。
その「問題」は、体や心の障害となって現れます。
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なぜ、親せき同士から生まれた子供は遺伝子に問題が起こるのか
親戚同士から生まれた子供に遺伝障害が起きやすい理由は、「親せきで共通の遺伝子の問題」を持って生まれるからです。
生き物の遺伝子は、特定の病気にかかりやすいなどの問題を持っているものです。
他人同士の遺伝子が交われば、子供がその問題を持つ確率を下げられます。
たとえば母親に目が見えなくなる可能性がある遺伝子を持っていても、父親の遺伝子がカバーすれば目が見える子供が生まれます。
一方親せき同士から生まれた子供は、カバーができず目が見えない子供が生まれやすくなるのです。
なぜハプスブルク家では近親結婚にこだわったのか
昔の王族は近親結婚をすれば「血が薄くならない」と考えていました。
たとえば、王家の王様と親せきではない女王様が結婚して子供が生まれると、その子供が持つ王族の血は半分になります。
その子供から孫が生まれると、王族の血はさらにその半分になります。
昔の王族は「それが続いたら王族じゃなくなる」と考えていたのです。
血のつながりがある人同士で子供を産んだ方が血が薄くなることはないと思い近親結婚をさせていました。
昔の王族は近親結婚が多かった
ハプスブルク家だけではなく、世界中の王族で近親結婚はよくある話でした。
日本も第二次世界大戦まではさかんだったのです。
王族でなくても、力の強い貴族もやっていたことです。
当時は科学も進んでいませんし、遺伝のことなんて誰も知りません。
だから親せき同士で子供が生まれる危険なんて考えずに皆やっていたと言えますね。
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どんな障害があった?
たとえば赤ちゃんの内に亡くなったり、大きくなっても言葉が話せない、感情がコントロールできないといった障害です。
ハプスブルク家でもこのような障害がある子供がたくさん生まれました。
あごがしゃくれていた!?
ある一定の世代以降、ハプスブルク家の人間はあごがしゃくれている人が多かったといいます。
つまり、下のあごが上のあごより前に出ているということですね。
これは「下顎前突症」という病気の名前がついています。
ひどくなると上の歯と下の歯がかみ合わず食べ物も食べづらい、なんてことも。
実際カール5世という人の食事は歯を使わず丸呑みでした。
ハプスブルク家は遺伝のせいで滅亡した?
ハプスブルク家の王国は滅亡してしまいますが、その原因の一つに遺伝の問題があったというスペインの説が現在有力になっています。
ハプスブルク家最後の王様だったカルロス2世は、体が不自由で知的障害もありました。
その上子供を作れる体でもなく、後継者を用意するなんて不可能だったのです。
結局彼は39歳で亡くなり、ハプスブルク家は滅んでしまいます。
カルロス2世の体や知能の発達に障害があったのは、度重なる近親結婚のせいと言えます。
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ハプスブルク家の現在
実は、ハプスブルク家は今も続いています。
遺伝の問題があったのに、どういうことなのでしょう。
現在のハプスブルクはどのような状況なのでしょうか?
現在のハプスブルク家の末裔
ハプスブルク家は本家が断絶してしまいましたが、分家のロレーヌ家が現在も続いています。
今でも貴族ですが昔ほどのお金持ちではありません。
現在のハプスブルク家の当主はカールさんという政治家で、セルビアを訪問したりローマ教皇に謁見したりと忙しい毎日。
ロレーヌ家はマリア・テレジアがご先祖様で、唯一生き残っているハプスブルク家の家系です。
マリア・テレジアはマリーアントワネットの母親と言えばわかりやすいですね。
ハプスブルク家の子孫は500人以上!?
ハプスブルク家の子孫は世界中にいて、500人を超えています。
あまりにも多すぎて、当主のカールさんも把握しきれていない状況です。
カールさんのお子さんなど、直接血のつながりのある親せきはオーストリアに住んでいる方が多いです。
ハプスブルク家の末裔には日本人も?鰐淵晴子ってだれ?
ハプスブルク家の子孫は日本にもいて、有名なのが女優の鰐淵晴子さんです。
鰐淵さんは1990~2000年代を中心にドラマや映画作品に出演されていました。
代表作は「伊豆の踊子」で、これまで6回も映画化されている有名作品です。
彼女の母親がオーストリア人で、ハプスブルク家の末裔です。
また鰐淵さんにも娘さんや孫がおり、日本人のハプスブルク家の血はまだまだ続きそうですね。
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まとめ
今回は、ハプスブルク家について紹介しました。
ハプスブルク家はヨーロッパにとって、とても大きな影響を与えていました。
特にオーストリアは、今もハプスブルク家と関係が深い国です。
ヨーロッパの歴史に興味のある人や、ヨーロッパの旅行を考えている人は是非参考にしてみて下さいね。
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