ステレオタイプとは、ひと言で言うと「頭が固い人のものの見方」のことで、いかにも頭の固い人がいいそうなことを、「ステレオタイプなものの見方」というわけですね。
ただし、心理学でステレオタイプといったときには、もう少し違う意味がありますので、注意が必要です。
この記事では、ステレオタイプという言葉について、心理学に基づく正しい意味を簡単にわかりやすく解説しますので、参考にしてみてくださいね。
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ステレオタイプとはどういう意味?
冒頭でも少し説明したように、ステレオタイプとは「頭の固い人のものの見方」のことです。
もう少し正確にいうと、ステレオタイプとは「固定観念にとらわれた考え方」のことをいいます。
より深くステレオタイプという言葉の意味について理解するために、この言葉の由来(語源)についても紹介しましょう。
ステレオタイプの由来(語源)
もともと、ステレオタイプとは「なまり版(なまりでできた固い板)」のことをいいました。
なまり板をつくるためには、何度も何度も材料のなまりをたたいて平らな形を作らなくてはなりません。
このことから、「機械的に反復されること」の例えとして、ステレオタイプという言葉が使われるようになったのです。
「世の中で何度も何度も繰り返し言われてきた、いつもと同じものの考え方」のことをステレオタイプと呼んだわけですね。
このステレオタイプという言葉をあえて日本語に訳すると、「もん切り型の言葉」や「量産型」という意味となります。
ステレオタイプとは、決まり切った言葉や考え方、型にはまったみんなと同じような考え方というような意味になるのがイメージしていただけるかと思います。
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ステレオタイプの心理学的な意味
ここからは、心理学におけるステレオタイプという用語の正しい意味について解説しましょう。
心理学では、ステレオタイプとは「ある人が、特定のグループの人たちに対して抱いている、考え方やイメージのこと」を言います。
例えば、「女性は家で家事をし、男性は外で働くべきだ」というのは典型的なステレオタイプといえるでしょう。
ここでは、女性という特定のグループは家事をするべきもので、男性という特定のグループは外で働くべきものというイメージが持たれているわけです。
心理学ではステレオタイプは「改善すべきもの」と考える
心理学において、ステレオタイプにとらわれている状態は良い状態ではなく、改善すべき状態であると考えます。
なぜなら、ステレオタイプはかたよった考え方やイメージによって作り出されるものなので、それが現実の状態にそぐわないことがあるからです。
どんなに「女性は家事をすべきで、男性は外で働くべきだ」と強く考えていたとしても、実際問題としてどうしても家事が苦手な女性はいますし、病気やけがのために外で働けなくなる男性もいます。
このような状況が生まれたとき、上のようなステレオタイプを持ち続けている人は非常に苦しい人生を送ることになってしまいます。
また、自分のステレオタイプにそぐわない人を発見した時に、その人たちに対して無用に攻撃的になってしまうことも考えられるでしょう。
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ステレオタイプから脱却するには?
ステレオタイプから脱却するためには、「自分が当たり前だと思っている考え方やイメージは、ひょっとしたら間違っている可能性もあるかもしれない」と常に意識することが大切です。
自分の考え方やイメージに絶対的な自信を持ってしまうと、それはときに他人や自分自身の生き方を過度に否定することにつながってしまいます。
例えば、外で一生懸命働きたいと考えている女性に対して、「女性は家で働くべきだ」と言うことは、その人の生き方を否定していることから、古くからある女性の生き方というステレオタイプを相手に押し付けていることになります。
ステレオタイプから脱却するためには、自分の考え方やイメージが間違っているかもしれないということを念頭に、相手とコミュニケーションをするようにすることが大切です。
もし、自分の考え方が相手と合わない場合でも、相手の考え方を認め、自分が間違っているかもしれないと自省することこそ、ステレオタイプから脱却するためには必要なことです。
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まとめ
今回は、ステレオタイプの意味について解説しました。
ステレオタイプな考え方やイメージは、ときに相手を否定してしまうため注意が必要です。
ステレオタイプな考え方やイメージから脱却するためには、自分が間違っているかもしれないことを認め、常に新しい知識を受け入れるようにすることが大切です。
ステレオタイプの意味について知らなかった人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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