「アーサー王伝説」はたくさんの作品のモデルにもなっている、ヨーロッパの名作文学作品です。
円卓の騎士やエクスカリバーと言えば、「聞いたことがある!」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、アーサー王伝説のあらすじを要約してご紹介します。
有名な登場人物の歴史についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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アーサー王伝説のあらすじ要約
アーサー王伝説(あらすじ要約)
父の隠し子として生まれたアーサーは、本物の王者にだけ引き抜くことができる剣エクスカリバーを手に入れたことから王になります。
アーサー王は、彼を支える12人の円卓の騎士とともに各地で大活躍し、戦乱の世を治めて大きな王国を築きます。
しかし、アーサー王の運命は絶世の美女ギネヴィアと結婚したことから暗転していきます。
最も信頼していた友ランスロットには妻を奪われ、最後には知らず知らずのうちに姉との間にできていた子に殺されてしまうという結末を迎えます。
なお、アーサー王の死後も円卓の騎士などを主人公として伝説は続き、キリストの聖杯を探す聖杯伝説など、数々のロマンチックなお話があります。
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アーサー王伝説をくわしく紹介!
アーサー王伝説は、主人公であるアーサーが生まれるところから始まります。
アーサーはブリテンの王ウーサー・ペンドラゴンの子として生まれますが、実はその誕生を祝福されたわけではありませんでした。
アーサーは、実はウーサーの隠し子だったのです。
アーサーの父ウーサーはあるとき、他人の奥さんに一目惚れしてしまいます。
どうしても気持ちが抑えられないウーサーは、魔術師のマーリンに頼んでその奥さんの夫に変身させてもらい、本物の旦那さんのすきを見て、奥さんの寝室へと忍び込みました。
その結果としてできた子供がアーサーなのです。
その後アーサーは、マーリンとその部下エクター卿のもとへ預けられて、15歳までの年月をそこで過ごします。
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エクスカリバーを抜き王に
ウーサーの死後、誰にも引き抜くことのできない伝説の剣のうわさがアーサーのもとに伝わってきます。
湖の乙女が用意したと言われるそれは、次の王にしか引き抜けないと言われていました。
これを引き抜いたのが15歳のアーサーです。
この剣は実はエクスカリバーではなく別な剣だと言われることもあり諸説ありますが、一般的にはこの剣がエクスカリバーとして広く知られていますよね。
このことがきっかけでアーサーはマーリンから自身の出生の秘密について知らされ、自分が王の子どもであったことを初めて知りました。
そうして王にしか引き抜けないと言われた剣を引き抜いたアーサーは、周囲からの支持を得てウーサー亡きあと不在であった王の座につきブリテンの王となったのです。
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ギネヴィアとの結婚
王となったアーサーは都をキャメロットにさだめ、絶世の美女ギネヴィアと結婚します。
15歳で剣を引き抜いて王になり、優秀な部下達と共にローマ皇帝を倒してヨーロッパを統一した上に美人なお嫁さんが居るなんて、まさに順風満帆な人生ですよね。
ですが、この結婚はマーリンからは反対されていました。
マーリンはこの結婚がアーサーに大きな災いをもたらすと感じていたのです。
アーサーとその一族は繁栄を築き、王国は末永く幸福のもとに統治されました、めでたしめでたし――とは終われません。
これまでも隠し子とか不倫とか昼ドラみたいなドロドロ感を感じていた方も多いと思いますが、そんな物語がハッピーエンドで終わるはずがないのです。
なぜならアーサー王伝説は、そういうのが好きな方たちによって、そういうのが好きな方のために作られた物語だから。
中世のヨーロッパ人には既にそういう嗜好やブームがあったというわけですね。
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ランスロットの造反
アーサー王の最古の友にして最強の相棒ランスロット。
彼は物語の終盤でなんとアーサー王の妻であるギネヴィアと熱い恋に落ちてしまいます。
これに目をつけたのがアーサー王を恨むアーサー王の異父姉であるモルガンです。
モルガンは既にガウェインら息子たち兄弟をアーサー王の元へ送り込み、スパイをさせていました。
ですがガウェインら兄弟は母の気持ちなどつゆ知らずで、心の底からアーサー王に敬服し、王国の繁栄と真の平和のために忠義を尽くしていたのです。
そんな兄弟がアーサー王を破滅に追い込むような真似をするはずがありません。
ところがそんな兄弟たちに一人だけ例外がいたのです。
それが円卓の騎士が一人、モードレッドです。
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裏切りの騎士モードレッド
マーリンがまだアーサーの宮中に居た頃、マーリンはひとつの予言をしていました。
それが「5月1日に生まれた子供がアーサーと王国を破滅させるだろう」というものです。
マーリンを信頼していたアーサーはその日に生まれた子供を全て船に乗せて海に流してしまいます。
ですがその時に奇跡的に生きて漂着し、育てられた騎士が居ました。
それがガウェインの弟、モードレッドなのです。
しかもモードレッドの母親はモルガンですが、父親はなんとアーサー王その人!
モルガン以外は知りもしませんが、モードレッドはアーサー王がギネヴィアと結婚する前に、自身の異父姉であるモルガンとそうとは知らずに成してしまった子供だったのです。
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カムランの戦い
モードレッドたちによってギネヴィアとランスロットの不貞が暴かれると、ギネヴィアはアーサー王によって処刑が言い渡されます。
しかし自らの不義によって自分が愛した人が処刑されるのを見過ごせなかったランスロットはギネヴィア救出作戦を敢行、
処刑当日、馬に跨り疾風のごとく現れたランスロットはその場で他の騎士たちを切り殺しギネヴィアを救出すると、そのまま逃亡していきます。
このとき多くの円卓の騎士がランスロットの手にかかり、ランスロットを心から慕っていたガウェインの弟ら3人も犠牲になりました。
その後王国はランスロット派とアーサー派に分裂してしまいます。
意を決してかつての最愛の友ランスロットを討つため出征を決めたアーサー王。
しかし今度は出征の途中でとんでもない報せがアーサー王の耳に入ります。
それは宮中を任せていたモードレッドが、アーサー王が出征先で討ち死にしたという嘘をついて、王位に即位したというものでした。
アーサー王は急ぎ引き返しますが、モードレッドはこれを迎え撃とうと更に悪い噂を流して味方を増やし王位簒奪の準備を進めます。
こうして起こったアーサーとモードレッドの戦いが「カムランの戦い」です。
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アーサー王の最期
カムランの戦いは激戦になり、円卓の騎士最強だったガウェインですらも倒されました。
終盤、アーサー王とモードレッドの決闘の直前にガウェインがアーサー王の夢に現れて告げます。
このままアーサー王とモードレッドが戦うとアーサー王は死ぬ。
あとひと月戦いを伸ばせばランスロットが王の救援にかけつけて勝利できるというのです。
これを聞いたアーサー王はひと月の間モードレッドとの和平を結ぼうとします。
和平交渉は上手くいき、あと一歩で締結できるというところまで進みます。
その時、数々の不幸なすれ違いから和平交渉は決裂し、アーサー王とモードレッドとの対決は避けられないものとなってしまいます。
戦いは壮絶を極め、10万居たモードレッドの兵は全滅、アーサーの側もたった3人だけとなりました。
アーサーはモードレッドに挑みかかり槍でその体を貫きましたが、モードレッドはまともに立つこともままならなかったはずの体でそのまま王に近づくと、その剣でアーサー王の兜を砕き頭を割って倒しました。
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王国の崩壊
アーサー王の詩をめぐっては、エクスカリバーとされる剣を死の間際に返したり、湖の乙女やモルガンたちによって伝説の島アヴァロンに運ばれたりと、作品によって違う末路を辿りますが表舞台からはこれで退場になります。
そしてアーサー王を失い円卓の騎士も2人を残して全滅したブリテン王国は没落の一途をたどり、崩壊します。
こうしてアーサー王の伝説は終わっていったのです。
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登場人物紹介
アーサー王がヨーロッパを統一したあとは、アーサー王の部下である円卓の騎士たちの冒険物語が続きます。
円卓の騎士の物語でとくに有名なのは、キリストの血を受けた伝説の聖杯を探し求めて旅をする、「聖杯物語」ですね。
これがまたオムニバスのような感じで、ひとつひとつの物語がそれ単体で非常に面白いのです。
ここではたくさん登場する登場人物のキャラクターについて簡単に紹介しておきましょう。
円卓の騎士たち
まずは有名な円卓の騎士(アーサー王を支えた部下)から紹介します。
特に人気の高いランスロットをはじめとして、魅力的な人物が登場します。
ランスロット
フランス出身で湖の乙女に育てられた騎士。最初期からアーサー王の相棒。
完璧な騎士と呼ばれ全騎士の模範とされる最強の部下。ガウェインにも勝った。
トランプのクラブのジャックのモデルにもなっている。
ガウェイン
円卓の騎士最強の一角。アーサー王の甥でこちらも古株。
騎士の腕試し大会のようなものでランスロットと戦ったが、正午まで力が増すという特性を見破られて時間を引き延ばされて負けた。
午前だったらきっと勝っていた。
トリスタン
元々は『トリスタンとイゾルデ』『トリスタン物語』の主人公で、アーサー王伝説ではゲスト出演。
ゲスト出演のはずですが、中盤ではランスロットと並んで主役級の活躍を見せる大人気キャラです。
名前の意味は「悲しみの子」で何かと不遇が多い。
ちなみに円卓の騎士は何人居るのかというのも諸説あるのですが、大体は25人とされることが多いです。
イエスと使途になぞらえて13人のエピソードがあったり、多いものだと300人居ることにされていたりもします。
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その他の登場人物
その他の登場人物としては、次のような人たちがいます。
マーリン
序盤の主要人物にしてアーサーの参謀。
数々の予言でアーサーを助けたのに、ギネヴィアとの結婚反対だけは聞き入れてもらえなかった。
実はこの人も結構なプレイボーイで中盤は女性問題が原因で幽閉されて物語から退場。
モルガン
アーサー王のとは父親は違うが、母親は同じ姉。
ガウェインの母。
アーサー王とは浅からぬ因縁と確執があり、アーサー王を恨み憎んでいる。
モルゴースという姉が居てそっちがガウェインの母だったりもするが、同一人物として描かれるときが多い。
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アーサー王伝説の原典
Fateシリーズを代表に、今もまだ様々な作品に派生したり設定が使わたりするアーサー王伝説ですが、実は原典はひとつではありません。
もともとあったアーサー王の伝説に、中世までにできた様々な騎士物語を色々な人が勝手にアレンジしてどんどん付け足していったものがアーサー王伝説なのです。
ランスロットがフランス出身なのも、フランスの人が考えたからという説があります。
中盤でトリスタンが登場してオムニバス形式になったり、設定がときどきたくさんあったり諸説あったりするのもこのせいですね。
このため、アーサー王伝説はひとつではなく、語る人の数だけアーサー王伝説は存在しているといえます。
最近になって生まれているアーサー王伝説の派生作品もまた、アーサー王伝説の一部と言っても過言ではありません。
アーサー王伝説は今もなおファンの間で進化しつづけているのです。
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まとめ
今回は、アーサー王物語の要約や主な登場人物について紹介しました。
500年以上も前の話なのに今でも多くの人を魅了するアーサー王伝説は、まさに不朽の名作と言えます。
興味をお持ちいただけた方は、ぜひ原作にも挑戦してみてくださいね!
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