「自分なしでは生きられないようにしたい」――。
こんな言葉を、まるで甘い蜜のように囁かれたら、あなたはどうしますか? これは単なるわがままや支配欲求ではありません。これは、ある一人のアイドル、秦谷美鈴がプロデューサーである「あなた」に向けて放つ、切実で純粋な「愛」の宣言なのです。
まるごし氏によって描かれる『秦谷美鈴のP育成日誌』は、ある意味で「育成」の概念を逆転させてしまう、危険で甘美な物語です。表向きはプロデューサーがアイドルをトップスターへと導く日々。しかしその実、美鈴の一途でどこか歪んだ愛情は、確実に、そして執拗にPの心を、そして体を縛り上げていきます。彼女の願望は、文字通り「共依存関係」を作り上げること。あなたは育てる側でありながら、気づけば美鈴という名の麗しい沼に引きずり込まれ、二人きりの世界に閉じ込められてしまうのです。
この作品の魅力は、何と言ってもその「濃密さ」に尽きます。21ページというコンパクトなページ数に、ラブラブ・あまあまというジャンル名が示す通り、甘ったるいほどの愛情表現が詰め込まれています。しかし、ただ甘いだけではないのがポイント。美鈴の瞳の奥に潜む強い独占欲や、彼女に全てを委ねざるを得なくなるPの少し困惑しながらも抗いきれない心情の描写が、官能的なシーンに深い味わいを加えています。単なる肉体関係ではなく、心の拠り所を互いに求め合い、埋め合う「関係性」そのものが、何よりもエロティックなのです。
コミケ107(2025冬)で煌びやかに登場した本作は、ゲーム系という題材を借りながら、アイドルとプロデューサーという絶妙な距離感の関係性を、とことんまで煮詰め、濃縮した一品。純愛でありながら、どこか背徳感を伴うこの独特の雰囲気は、読んだ者を無二の世界観へと誘います。筆致は繊細で、美鈴の可愛らしさと妖しさが見事に両立されており、ページを捲る手が自然と早くなること請け合いです。
さらに嬉しいのは、オマケとして文字無し版も収録されている点。美麗な絵を余すところなく堪能でき、想像力をさらにかき立ててくれる、至れり尽くせりの仕様です。無期限で楽しめるFANZAでの配信は、この濃密な共依存の世界に、いつでも何度でも浸ることができるパスポート。甘く、危険で、やめられない――そんな関係性に憧れるすべての読者に、心からおすすめしたい極上のラブストーリーです。