「させていただきます」という表現は日常でよく見かけますが、実はこの言葉、日本語としては正しくないことをご存知でしょうか。
まちがった敬語も使ってしまうとそれだけで低評価をされてしまう可能性もありますから注意が必要です(ちゃんと仕事をしても言葉で低評価…なんてもったいないですよね)
この記事では「させていただきます」という言葉が日本語として間違いである理由や、正しい敬語への言い換え方法を説明します。
メールでこの言葉を使いたい場合の例文も紹介していますので、敬語にはちょっと不安がある…という方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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「させていただきます」→「いたします」が正解
文章の語尾をていねいな印象にしたい場合には、基本的には「いたします」という表現が正しいです。
「させていただきます」の言い換え
- 「させていただきます」は日本語として間違い
- 正しい敬語では「いたします」
かなりビジネス経験が豊富な方でも、「~させていただきます」という表現をすることがありますので、ちょっとびっくりしてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
最近では辞書にも普通に乗っていたりするので「もともとは誤りだけれど、みんなが使うようになったのでなんとなく認められている」というたぐいの言葉なのですが、本来の敬語のルールからすると「させていただきます」は明確に誤りです。
確かに、「いたします」は「させていただきます」に比べると強めの印象がありますよね。
敬語にしては語感が強く、言い切ってしまう形になるので、上司や取引先に使うのはどうなのか…と悩む方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方は次の項目を読んでみてください。
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実は失礼な「させていただく」
「今月いっぱいで会社を辞めさせていただきます」
そんなセリフを聞いたことがないでしょうか。
「いただく」とは本来、「相手の許可をもらう」という意味の謙譲語です。
上のような場合、相手からすると「許可をしたわけでもないのに一方的に『させていただく』と宣言されてしまっている」という形になり、実はとても失礼な表現になってしまっているのです。
ビジネスシーンにおいてはちょっとした言葉の間違いが信頼感を失うことにつながることもありますから、くれぐれも注意しましょう。
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正しい敬語「いたします」を使ったビジネスメール例文
ここまで、「させていただきます」は「いたします」という言葉に置き換えるのが正解という話をしました。
以下では、実際にビジネスメールで「いたします」を文章にするときの使い方や例文を紹介しましょう。
例文①
「させていただきます」言い換えの例文①
- (正)お忙しいところ恐縮ではございますが、何卒よろしくお願いいたします。
- (誤)お忙しいところ恐縮ではございますが、何卒よろしくお願いさせていただきます。
「お願いさせていただきます」とは言いませんよね。
お願いするにも許可がいるのか、なんて皮肉を言われてしまうかもしれません。
この例文で迷う方は少ないと思いますが「いたします」になります。
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例文②
「させていただきます」言い換えの例文②
- (正)入社式に伴い、新入社員の懇親会を〇月×日に実施いたします。
- (誤)入社式に伴い、新入社員の懇親会を〇月×日に実施させていただきます。
すでに日程が決まっていて、決定事項を伝えるメールの場合は「いたします」を使いましょう。
例文③
「させていただきます」言い換えの例文③
- (正)会議の資料は私共の方でご用意いたします。
- (誤)会議の資料は私共の方でご用意させていただきます。
資料を用意するにあたり相手に許可を取っているわけではないので、この例文も「いたします」が適切になります。
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「させていただきます症候群」の原因とは?
丁寧な敬語だと勘違いして何でもかんでも「させていただきます」を付けてしまう政治家が多く、NHKの解説委員室で「させていただきます症候群」として取り上げていました。
もともとは選挙演説などで、いかにも「いい人。謙虚な人」をアピールしようとする政治家が多く、本来は「~いたします」というのが正しい場面で「~させていただきます」というように過剰にへりくだった表現が好まれたという経緯があります。
テレビなどでもひんぱんにこの表現が見られたため、それが世間一般に浸透してしまったことが「させていただきます症候群」の原因と考えられます。
上でも解説しましたが「させていただきます」は日本語として誤りで、正しくは「いたします」です。
「させていただきます」と比べるとやや強い印象がありますが、間違った日本語を使うよりもよっぽどマナーとして印象が良いので、こちら(「いたします」)を使うようにしましょう。
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まとめ
今回は「させていただきます」という表現について解説しました。
再度確認すると、「させていただきます」は日本語として完全に誤りで、正しくは「いたします」となります。
相手を敬う気持ちは大切ですが、伝え方ひとつで良くも悪くもなりますので正しい言葉使いをしっかり学ぶことが大切ですね。
ビジネスメール等を日常的に使用する方は、ぜひ参考にしてみてください。
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