文脈とは、ごく簡単にいうと「文章と文章のつながり」のことです。
例えば、なにかの文章を読んだときに、「前後のストーリーから考えて、この結論はおかしいな」というように感じることがあるでしょう。
こんなとき、「この文章は文脈がおかしい」といった言い方をするのです。
この記事では、「文脈」という言葉の意味と使い方について具体例をあげて解説しますので、参考にしてくださいね。
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「文脈」の意味とは?
冒頭でも見たように、「文脈」とは、文章と文章のつながりのことをいいます。
この文脈が大事なのは、文脈をどう読むかによって、文章全体の意味が変わることがあるからです。
つまり、1つの文章だけをぬきとるのではなく、「どのような文脈で語られた文章なのか」も理解したうえで読まないと、意味を間違って理解してしまうことがあるということですね。
以下では、まったく同じ文章でも、前後の文脈によって意味が変わってしまう例を紹介しましょう。
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例文:ゆっくりとグラスをかたむけてください
次の2つの文章を見比べてみてください。
- ①秋の夜長は、おいしいワインが最高。2人でゆっくりグラスを傾けてください。
- ②ビールを注ぐときは、泡が立ち過ぎないようにゆっくりグラスを傾けてください。
「ゆっくりグラスを傾けてください」という言葉はまったく同じですが、文章全体から伝わってくる雰囲気や意味は違いますよね。
①の文脈では、「グラスを傾ける」はあくまで比喩表現で、「楽しくお酒を飲んでください」という意味です。
②は、ビールを注ぎやすくするために、物理的にグラスを傾けてくださいという意味です。
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例文:昨日はひさびさにA君と映画に行った
もう1つ、例文を紹介しましょう。
文脈によって文章の意味が変わる例
- ①私の趣味はたくさんあります。将棋・テニス・写真・あと映画かな。そういえば、昨日はひさびさにA君と映画に行った。
- ②私はたくさんの人たちと交流するのが好きです。そういえば、昨日はひさびさにA君と映画に行った。
①の文脈では、伝えたかったのは「映画」が趣味という事実です。
ここでは映画に行ったのが「昨日」だったとか、「A君と行った」ことにはほとんど関係ありません。
②では「いろいろな友達がいること」を伝えるのがメインで、「A君」のついての話が主になります。
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文章以外で使う「文脈」という言葉
「文脈を~する」といったときには、たとえば誰かの話から前後のつながりや流れを推察することを意味します。
すべてを語っていなくても、話の流れから背景を感じ取ったり、話の行き先を推察する場合でも「文脈」という表現を使います。
以下でいくつか例を紹介しましょう。
①文脈を読む
文脈は、慣用句として「文脈を読む」という使い方をよくします。
これは、文章でも話でも、言葉と言葉のつながりから、書き手もしくは話し手の言いたいことを見通すことです。
「読む」は比喩表現で、推測する、推察するという使い方です。
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②文脈をたどる
「文脈をたどる」は、書いてある内容を確認するときに、文章の脈絡や意味のつながりを追うことです。
話している内容について、「文脈をたどる」という表現はあまり使いません。
なぜなら、話す言葉は消えてしまい「たどる」のは難しくなるからです。
③文脈をつなぐ
「文脈をつなぐ」とは、ひとつの文章や話の中で、流れをより理解しやすいように言葉を補足していくことです。
また、誰か他の人が書いたこと、話したことを別の人が引き継ぐとき、主旨やいいたいことがブレないようにつないでいくことをいいます。
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まとめ
今回は、文脈という言葉の意味について解説しました。
本文で紹介しましたが、「文脈」には文章の脈絡をいう場合と、会話の流れで背景や状況をさす場合の二通りあることに注意しておきましょう。
いずれの場合も、相手の意図している内容全体を理解する上でとても大事な要素といえます。
特に文章を読むときは、しっかり文脈を読んで理解することが大切です。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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