「一期一会」という言葉は、「人との出会いはめったにないことだから、大切にしよう」という意味で使われることが多いですよね。
この意味でも間違いではないのですが、実は、別の意味があることをご存知でしょうか。
この記事では、「一期一会」という言葉の意味や由来をくわしく解説するとともに、例文をあげて使い方の具体例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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一期一会とは?意味をわかりやすく解説!
一期一会という言葉には、大きく分けて2つの意味があります。
「一期一会」の2つの意味
- この相手との出会いは、生涯にただ一度の出会いという意味
- この瞬間は「一生に一度限り」と覚悟して専念して取り組むという意味
1つ目は最近の歌の歌詞などでも一般的によく使われる意味で、人との出会いについての意味ですね。
2つ目は人との出会いの意味に限らず、あなた自身が取り組んでいる仕事や練習についてもいえることで、「今できることに集中して頑張る」という意味です。
2つ目はあまり使われることがありませんが、語源や由来までさかのぼって考えると、実はこちらの方が本来の意味といえます。
以下、一期一会のそれぞれの意味についてくわしく見ていきましょう。
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①一期一会の意味その1
1つ目は「この人との出会いは生涯にただ一度の出会いだ」という意味で使う場合です。
一生に一度だから何かとの出会いを大切にするべきだ、という戒めの意味です。
歌詞や本などではこの意味での使い方がよく見られますね(恋人への「君に出会えてよかった」という意味のフレーズなど)
みなさんも「一期一会を大事にする」といったときには、こちらの意味で使われるのではないでしょうか。
②一期一会の意味その2
一期一会という言葉には、「今、この瞬間にこの仕事に取り組めるのは一生に一度限りだから、一生懸命に専念しよう」という意味もあります。
毎日やっている仕事や勉強、部活の練習などは「明日もあるから」とついゆったりと構えてしまいがちですね。
しかし、何事も上達するためには「今、この瞬間がもっとも大切だ」という気持ちで毎日を過ごすことが大切で、そのような心構えのことを一期一会ということがあります(一期一会の気持ちで取り組む、ということです)
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一期一会の由来・語源
「一期一会」の由来は茶道にあります。
実はこの言葉は、茶道でもっとも大切にされている言葉なのです(基本的な心構えとして、茶道ではすべての動きを「一期一会」の気持ちで行うように指導されます)
また、この言葉は仏教にも由来があります。
一期(いちご)とは仏教用語で一生、一会(いちえ)は法会、法要、茶会などの会合、もしくは一度会うという意味になります。
仏教は茶道が日本で流行するよりもずっと昔からある教えですから、茶道が成立する中で仏教の教えが取り込まれたと考えるのがより正しいかもしれません。
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千利休の言葉でいう「一期一会」の意味とは
茶道の創始者である千利休の言葉として、「一期に一度の会」というものがあり、この言葉が「一期一会」の由来だと言われています。
意味としては「茶席にのぞむものは、巡り合う機会が一生に一度だと覚悟し、主人も客も誠意を尽くすべきだ」という事を意味します。
なお、これは「この人と会うのは生涯で一度だけ」という意味ではなく、「同じ主人、同じ客でも、今日という日にこの茶会で会うのはこの一度きり」という意味になります。
千利休は、いつもと同じメンバーだとしても、緊張感と真剣さを持って取り組むべきだ、ということを弟子たちに教えたかったのかもしれませんね。
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千利休の言葉の出典(どこで言った言葉か)
千利休の弟子に山上宗二という人がいるのですが、この人の日記「山上宗二記」の中の「茶湯者覚悟十躰」の部分に、上で見た一期一会の話が出てきます。
後にこの言葉が、井伊直弼により「茶湯一会集」の中で「一期一会」と記されました。
『茶湯一会集』とは?
こちらは幕末の大老で、茶人でもあった井伊直弼(1815~1860)の著書です。
この中で茶の湯の心得として「一期に一度の会」を「一期一会」と記しました。
一期一会という言葉が今ほどポピュラーになったのは、ここで紹介されたのがきっかけといわれています。
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一期一会の使い方:具体例で理解しよう!
「一期一会」という言葉を使った例文をいくつか紹介します。
気になっていた財布を買いに行ったら売れてなくなっていた。一期一会だったと後悔した。
同級会も25回目となった。またいつこのメンバーで集まれるだろうか。
今夜は一期一会のつもりで語りあかそう。
先週できなかったことが、今週はできるようになってほしい。生徒たちには一期一会の指導をしていきたい。
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まとめ
今回は、一期一会という言葉の意味を由来とともに解説しました。
茶会での心構えが一般にも広く応用されるようになったものだとご理解いただけましたでしょうか。
相手が毎日会う人であっても、その人と過ごすその時間は人生で一度限りです。
忙しい毎日であっても、人にも仕事にも一期一会の精神で取り組めたらいいですね。
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