夏目漱石の「こころ」は、高校教科書のテーマに採用されているほか、試験問題や読書感想文の課題に選ばれることも多い名作です。
しかし、なにしろ明治時代に書かれた作品ですので「読んだけれど文章が難しくて理解できなかった」という方もひょっとしたら多いのではないでしょうか。
そんな方のためにこの記事では「こころ」のあらすじと、読書感想文向けのポイントを詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
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「こころ」あらすじを簡単に紹介!
「こころ」あらすじ
大学生の「私」は夏休みにおとずれた鎌倉である人物に出会います。
そして、その人を「先生」と呼び尊敬を覚えるようになります。
人との交流を絶つようにしてひっそりと暮らす先生と妻。
「自分は寂しい人間」「恋は罪悪」とつぶやく先生は一体どんな苦悩を抱えていたのでしょうか。
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「こころ」の主な登場人物
「こころ」で主となる登場人物は四人です。
「こころ」登場人物
- 私:地方出身東京在住の大学生。偶然出会った年上男性を「先生」と呼びしたう
- 先生:「先生」と呼ばれるが教師ではない。仕事はせず人付き合いも避け、妻と二人、両親の遺産でひっそりと暮らす
- 妻:「先生」の学生時代の下宿先の「お嬢さん」。美しい女性で名前は静
- K:「先生」の親友。「先生」以外に友だちはいない。家族とも疎遠
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「こころ」を上・中・下巻の順番に詳しく解説
「こころ」は、上巻・中巻・下巻の3部構成になっている作品です。
おおまかにいうと、上巻と中巻で様々な伏線がはられ、下巻でそれらが回収されるというかたちで物語は清行為していきます。
以下では、それぞれのパートでの要点を詳しく解説しましょう(※一部ネタバレを含みますので注意してください)
①上巻「先生と私」の要点
鎌倉から東京に戻ってからも、「私」と先生の交流は続きます。
私はいつしか先生にかぶれ、先生の人生の過去から教訓を得たいと思うようになります。
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②中巻「両親と私」の要点
「私」は大学を卒業し、病気の父を見舞うために帰郷します。
そんなある日、先生から分厚い手紙が書留で届いたのです。
私は危篤の父を残し、急いで上京します。
③下巻「先生と遺書」の要点
先生の手紙には、叔父の裏切り、親友の自殺という過去と「ある決意」が書かれていました。
大学時代、先生は故郷を捨て未亡人とその娘のやっている下宿に引っ越しをしました。
その後、経済的に困窮していたKを自分の下宿先に同居させました。
実は先生は以前からお嬢さんが好きでした。
しかしKから先に「お嬢さんが好きだ」と言われてしまったのです。
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「こころ」読書感想文を書く時のポイント
「こころ」は青春の恋の悩み・そして死がテーマになっている作品です。
この作品で読書感想文を書く場合には、次の3点についてしっかりと書くようにすると良い読書感想文にすることができますよ。
「こころ」の読書感想文を書く時にふれるべきポイント
- ①Kが自分と同じ人を好きだと知ったとき、先生はどう行動したか
- ②どうしてKは自殺したのか
- ③先生は最後にどんな決断をしたのか
物語の中で、先生とKが出した答えはどうだったか、そしてあなた自身がその答えをどう思うかについて書くと良いです。
そして、それぞれ「自分だったらどうするか」をプラスして書くようにするとオリジナリティのある読書感想文に仕上がりますよ。
以下、それぞれの項目についてくわしく見ていきましょう。
①Kが自分と同じ人を好きだと知ったとき、先生はどう行動したか
親友が自分と同じ人を好きだと知ったら、みなさんならどうするでしょうか。
先生は、先回りしてお嬢さんのお母さんにお嬢さんとの結婚の承諾を得ました。
Kへの劣等感に負け、Kを絶望に追い込み、Kに内緒で婚約したのです。
みなさんだったら、親友をあざむいてでも恋をとりますか?
想像してみましょう。
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②どうしてKは自殺したのか
Kは先生の婚約を知った数日後、自ら命を絶ちました。
遺書には自らが意志薄弱で行先の望みがないから自殺する、とありました。
先生はKが失恋の痛手で自殺したと思いました。
後々先生は、一人で寂しくて仕方なくて自殺したのでは、と思うようになりました。
Kの自殺の理由は色々なとらえ方ができます。
自分なりの考えをまとめてみましょう。
③先生は最後にどんな決断をしたのか
先生はお嬢さんと結婚しましたが、罪悪感は消えずとうとう自殺を決意します。
信頼を裏切られて他人に失望し、友情を裏切った自分にも絶望したのです。
みなさんは先生の決断をどう思いましたか?
家族に罪を告白して生きるという道を選ぶこともできます。
何事もないような顔をして生きていくこともできるでしょう。
自分が先生だったらどんな道を選ぶか、よく考えてみましょう。
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まとめ
青春の恋の悩みと死というテーマは、時代が違っても変わりありません。
人間の弱さやずるさに共感できる部分もあるのではないでしょうか。
共感した点、反発を覚えた点など、自分の気持ちを素直に表現してみて下さいね。
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